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大高翔による受賞発表&みなさまから寄せられたコメントを全て大公開!

 

たくさんのご応募、本当にありがとうございました。

それでは受賞作品を発表いたします!! 

 

金賞・銀賞・銅賞の三賞の方への記念品は、

大高翔が雪の句<淡雪の一つひとつに神の息 翔>を書いた「豆色紙」を差し上げます。

※受賞者の方にはあらためてメールにてご連絡いたします。

 

また、コメント掲示板を設置していますので、

よろしければ今回のWEB句会に関するご意見・ご感想をお聞かせください。  

 


 

2. 降る雪や角のとれたるものばかり

だんごさん

 

●作者コメント

雪が降るとなにもかにも柔らかく見えますよね♪

 

●大高講評

確かに、「雪」が積もると、尖っている自転車も屋根も木も石も、みんなまあるい形になる。勢いよく「降る」「雪」が、みるみるうちに日常を非日常に変化させる。「角のとれたるものばかり」と、雪景色の変化を見事に切り取った表現が、なんとも快い一句だ。

 

★みなさんの選句コメント

・うーん。深いですね。そして心に残る素敵な句だと思いました。(yuri)

・首都圏に記録的大雪 冬将軍には逆らえず丸くなる(闘句朗)

・積雪によりすべてのものを覆ったものが丸みを帯びてくて、作者は落ち着いた景を心地よく思って詠んだのでしょうね。(菊子)

・この句を読んだ瞬間は、どういうことだろうと少し考える句だが、降り積もる雪を使っての、雪玉や、雪だるま、雪兎など、確かに丸くて角がないものばかり。そんな当たり前のことだけど、忘れてしまっていることに、はたと気づかせてくれた作品。降る雪のやさしい、一面が見えて来る。(煙味堂)

 

23. 前歯だけ大人の児かな雪合戦

月湖さん

 

●作者コメント

雪国に住んでいる孫の歯が抜けて大人の歯が生えました!まだまだ元気な男の子。でも、だんだん大人になっていくんだなあ。

 

●大高講評

「前歯だけ大人の児」が、おもしろくて可愛い。「雪合戦」にきっと夢中なのだろう。元気なしぐさや表情が見えてくるようだ。少しずつだけど確実に、こどもから大人へと成長を遂げている様子が、うれしさや頼もしさと共に、ほんの少しの切なさも感じさせる。

 

★みなさんの選句コメント

 ・自分にも自分の子どもにもあった少しだけオトナになってきた子供の時代を懐かしく思い出させてもらいました。前歯だけオトナの違和感はきっと子ども自身も感じていて雪合戦を大げさに楽しんで見せてくれていたのではナイカナ ナンテ思ってしまいます。懐かしくてちょっと切なさも感じる一句でした。(台所のキフジン)

 

3. あしたより吾子の住む町六花

坂石佳音さん

 

●作者コメント

独り立ちする子の部屋を決めた日は風花が舞っていました。近くて遠いようなそんな場所です。

 

●大高講評

「あしたより吾子の住む町」が、ひとり暮らしを始める子との、物理的距離と心理的距離を感じさせる。親は親で、子は子で、嬉しさと淋しさの入り混じる、生活の始まり。美しく舞う「六花」が、親子それぞれの新しい物語の始まりを、やさしく見守っている。

 

★みなさんの選句コメント

・独り暮らしを初めてする子供の引っ越しの手伝いに来た父親と母親。細々とした生活品を買ったり、合鍵を作ったり、銀行やスーパー、交番、役場の場所を確かめたり、とにかく我が子が心配でならない様子が、六の花で浮かび上がって来ました。(杉本とらを)

 

7. いつの間に体の芯へ雪積る花

shuushouさん

 

●作者コメント

しんしんと積る雪を見ていて感じました。

 

●大高講評

「いつの間に」から、大雪に見とれている作者が想像される。「体の芯へ雪積る」が、不思議な実感がある。視界が雪に覆われるうちに、外の世界と内なる世界が重なり、ひとつになっていくような雰囲気が伝わってきた。

 

★みなさんの選句コメント

・何か心配事?(ポンタロウ)

 

38. 雪晴れや舌に遊ばす薄荷飴

ヤスハルさん

 

●作者コメント

薄荷飴を食べると嚔が出ます。(^◇^;)

 

●大高講評

「舌に遊ばす薄荷飴」の清涼感で、「雪晴れ」がより清らかに心地よく感じられる。晴れた日の雪の輝きが、躍動感をもって伝わってくる一句。

 

★みなさんの選句コメント

・ 薄荷飴は懐かしいですね。白い薄荷の飴を久々の雪晴れに口に含んで噛まずに味わっている様子が見えて選ばせて頂きました。(かつ子)

・雪晴れという言葉に、青空がパッとイメージできました。同時に口の中で遊ばせている薄荷飴の様子に、スッキリ感と日常の小さな幸せがあるように感じます。(貴薫)

・雪晴れの青空と、薄荷飴の清々しさが重なりました。重くなりがちな「雪」の季語が、爽やかな句になっています。(海月)

 

4. ひたすらにひたむきなりし雪の夜

一斗さん

 

●作者コメント

よろしくお願いします。

 

●大高講評

「ひたすらにひたむき」に降り積もるさまを想像した。「雪の夜」の静かな迫力が感じられ、しんしんと世界を覆っていく独特な時間が表現されている。

 

★みなさんの選句コメント

・上五と中七の、ひ、の響きが好きです。仮名文字も見ていて、ひたすらなのに柔らかく感じました(小田桐妙女)

 

24. 音もなく陽射しうつろふ雪の山

安芸彦さん

 

●作者コメント

雪の山にスノーシューハイキングにでかけました。雲の切れ間から射した光がゆっくりと山の斜面を動いていくのをしばらく立ち尽くして見ていました。

 

●大高講評

「音もなく」が当たり前のようでいて、「陽射しうつろふ」の弾むような明るさを際立たせている表現。「雪の山」の神々しいまでのまぶしさが感じられる。

 

★みなさんの選句コメント

・雪の山に射す陽が静かに移ろっていく。音もなくと言ったところに山の静寂さ、神々しさが立ち上がる。それと同時に、毎日見ている慣れ親しんだ山への愛情も感じられると思う。(薫)

 

31. 新雪の奥へ轍の三輪車

煙味堂さん

 

●作者コメント

皆様の「雪」の句を、楽しみに鑑賞させていただきます。

 

●大高講評

「新雪の奥へ」が、愛らしい幼さを感じさせる。「轍の三輪車」に乗る後ろ姿が想像され、愛情にあふれながらも、ちょっと困っている作者も見えてきた。

 

★みなさんの選句コメント

・うっすらと降った新雪に三輪車の轍跡と足靴の跡がずっと先まで…、メルヘンチックな情景です。親と三輪車の児が、よく晴れた朝の散歩に出たのでしょう。「奥へ」の措辞がこの句の意味を深めます。(ひろ志) 

●総評●

 

すばらしい作品をたくさん前にして、うれしく迷いながら選句しました。

雪が降るとき、見慣れた世界は少し様変わりし、わたしたちの心のなかの景色も変化させられます。それも、遠くから見渡すのか、一片を見つめるのかで、大きく句の表情が変わりますね。

 

「吾子」「娘」「母」「父」といった大切なひとを思ったり、「泣き笑い」したり、「再会の動悸」や「鼓動」が激しくなったり、「もう一度好きになり」たいと揺れたり、「我のこころ」のありかを感じ取ったりするのも、雪降るなかだからこそ、共感します。

「航海灯」「居酒屋」、それから「肉じゃが」「土鍋」「茶」といったぬくもりを感じさせる灯や食べ物との取合せも印象に残りました。

「土」「無音」「うたた寝」「裸電球」「富士」「鈴の音」で描かれた静かな雪の情景も美しいと思いましたし、逆に「旅するように」「エレベーター」「ハイウェイ」「焼け跡」「選手団」「プリズム」「弾む声」「雪沓弾む」といった、雪の明るく躍動感のあふれる表情を捉えた作品もありました。

「雪国」「雪女」「風花」といった少し特別な雰囲気のある季語も、自然体で詠んでいるのがすばらしいと思いました。

 

 美しさも恐ろしさもある雪ですが、これからも自分の心を映すものとして、たいせつに見つめ詠んでいきたいと感じました。皆様、さまざまな雪の表情をすくい取ってくださり、句会にご参加くださり、ほんとうにありがとうございました。。

そのほかの作品、選句コメントは下のイラストからご覧いただけます。